電車の駅や商業施設で、スマホを見ながら歩いている人とぶつかりそうになった経験はありませんか?
歩きスマホ 邪魔と感じる場面は年々増えており、特にシニア世代の皆さんにとっては「身近で避けられない問題」になってきています。
自分はしっかり前を見て歩いていても、周りの人がマナーを守らなければ、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。歩きスマホは法律で禁止されているのでしょうか?もしぶつかってしまったら、責任はどうなるのでしょうか?
この記事では、歩きスマホが引き起こすトラブルの実情や、シニアの皆さんが日常生活で実践できる対策について、わかりやすくお話ししていきます。
毎日の外出や買い物の際に、「歩きスマホ」の問題とどう向き合えばよいか、一緒に考えてみませんか。
歩きスマホ 邪魔は法律違反?迷惑行為としてトラブルの原因になります
歩きスマホ自体に直接の法律違反はない
歩きスマホが「邪魔」だと感じる場面は多いものの、現在の日本の法律では「歩きながらスマホを操作すること」そのものが明確に違法とされているわけではありません。
刑法や道路交通法などの主要な法律を見ても、歩行中のスマホ使用を禁止している条文は見当たりません。そのため、歩きスマホをしていたからといって、すぐに罰則を受けるということはないのが現状です。
ただし、「法律違反ではない=何をしても自由」というわけではありません。
他人にぶつかった場合は過失や損害賠償が発生することも
歩きスマホによって他の人と接触し、相手にケガをさせてしまった場合には、民法上の「不法行為」に当たり、損害賠償責任を問われる可能性があります。
例えば、混雑した駅の構内で歩きスマホをしていた人がご高齢の方にぶつかり、転倒させてしまった場合、ケガの程度や状況によっては治療費や慰謝料を請求されるケースもあります。
スマホに気を取られた状態は「前方不注意」と判断されることが多く、歩行者同士の接触事故であっても加害者として責任を問われるリスクがあるのです。
迷惑防止条例や各自治体のルールにも要注意
法律では規制されていなくても、一部の自治体では独自の条例やガイドラインを設けて、歩きスマホの危険性を知らせ、防止する取り組みが進んでいます。
例えば神奈川県や東京都では、駅構内や商業施設内における歩きスマホの注意喚起が積極的に行われており、「周囲に迷惑をかける行為」としてポスターや音声案内が導入されています。
このような地域のルールやマナーを軽く見ていると、トラブルや注意を受けることも考えられます。法的な罰則がなくても、社会的な非難や指摘を受けることは十分にあり得るのです。

僕も、おじいちゃんと一緒に駅のエスカレーターを利用していたとき、目の前でスマホに夢中になっている若い方とぶつかりそうになったことがあります。
幸い大事には至りませんでしたが、もう少し接近していたら…と思うとゾッとしました。相手に悪気がなくても、スマホを見ることで視界が狭くなるのは本当に危険ですね。
こうした日常の場面で、「歩きスマホって迷惑だな」と感じることが増えたと、おじいちゃんともよく話しているんです。
なぜ歩きスマホは「邪魔」とされるのか?3つの主な理由
視界が狭まり周囲の安全確認ができない
歩きながらスマホを見ていると、視線が下に向くため、歩行者としての注意力が大幅に低下してしまいます。
人間の視野は、正面を見ているときには約120度まで広がりますが、スマホに視線を落とすとこれが極端に狭くなり、前方の障害物や人を発見しにくくなります。
そのため、自転車やベビーカーとすれ違う場面、階段の段差などでも反応が遅れがちになり、転倒や衝突といった事故が起きやすくなってしまうのです。
他人と衝突する危険性が高く事故につながりやすい
特に駅構内や商業施設などの人混みでは、歩きスマホは大きな迷惑行為と受け取られやすくなります。
スマホに集中していることで周囲への配慮が薄れ、無意識に立ち止まったり、通路をふさぐように歩いたりするため、後ろを歩いていた人がつまずくケースもあります。
しかも、歩きスマホをしている人がぶつかった場合でも、「スマホを見ていた方が悪い」と一方的に責められがちです。
注意力を失った行動が「自分勝手」と見なされやすいのも、歩きスマホが「邪魔だ」と言われる大きな理由の一つです。
高齢者や障害者にとって回避が困難で深刻な被害も
特にシニア層や障害をお持ちの方にとっては、歩きスマホをしている人を避けるだけでも大きな負担となり、時には重大な転倒事故につながることもあります。
目の前で急に止まられたり、方向を変えられたりすると、足腰の弱いご高齢の方は即座に対応することができません。
また、白杖をお使いの視覚障害の方などは、歩きスマホの人が音を遮ってしまうことで、安全な移動の確保が困難になるという問題も報告されています。
歩きスマホは周囲の人にとって「単なる迷惑」ではなく、「実際に害をもたらす危険」になり得るのです。

仕事でご高齢の社員の方と外出する機会があり、駅の構内を一緒に歩いていたときのことです。急に目の前で歩きスマホの若い方が立ち止まり、同行者の方がつまずきかけてヒヤッとしました。
その方は反射的に止まることができたから良かったのですが、もし足がもつれて転倒していたら…と思うと、単なる「マナー違反」では済まない話だと実感しました。
歩きスマホをしているご本人には悪気がないことも多いのですが、無意識の行動が他人の安全を脅かすという視点は、もっと広く知られてほしいですね。
実際に起きた歩きスマホによるトラブル事例
混雑した駅構内での衝突事故と損害賠償請求
ある都市のターミナル駅で、歩きスマホをしていた若者が混雑する改札口でご高齢の方と接触。相手の方が転倒して骨折し、その治療費と慰謝料を支払うことになった事例があります。
このケースでは、スマホの画面に夢中になっていたことが「前方不注意」として認定され、過失の割合も高く判断されました。
事故の加害者になるリスクは、スマホを見ながら歩くだけでも現実に存在しているのです。
子供や高齢者が転倒したケースと責任問題
商業施設やショッピングモールなど、ご家族連れが多い場所でもトラブルは頻発しています。ある店舗では、歩きスマホの成人とお子さんがぶつかり、お子さんが棚に頭を打って出血する事故が起こりました。
こうしたケースでは、相手がお子さん・ご高齢の方・身体が不自由な方である場合、過失割合が一方的に問われやすく、社会的な責任も重くなる傾向があります。
特にシニアの皆さんにとっては、接触による骨折や後遺症が残るケースもあり、日常生活に深刻な影響を与えかねません。
企業が従業員に「歩きスマホ禁止」を徹底する理由
企業の中でも、「通勤中の歩きスマホを控えるように」という注意喚起をする会社が増えています。
特に営業職や外回りの多い従業員は、会社名を背負って行動している以上、スマホによるトラブルで会社の評判まで損なうリスクを防ぐための対応が求められています。
ある保険会社では、歩きスマホによる接触事故をきっかけに、全社員に対して通達を出し、再発防止の研修を行いました。
個人の行動が「企業のリスク」になるほど、社会的な問題として歩きスマホが認識されてきているのがわかります。

昔、スマホ販売のアルバイトをしていた頃、実際にお客様から「歩きスマホで転んで画面が割れたんだけど、保証は効くの?」と相談されたことがありました。
その方はケガもされていて、ご家族からもかなり叱られたそうです。スマホを持っていると、つい気になって操作してしまうものですが、ちょっとした油断で思わぬ事態になってしまいます。
そのときから「スマホの便利さとリスクは表裏一体」だと感じるようになりました。
歩きスマホは「邪魔」だけでなく危険!今すぐできる3つの対策
歩行中にスマホを使いたい場面がある場合は、操作せずに済むように事前の工夫が有効です。
特に「音声検索」機能を活用すれば、歩きながら画面を見なくても済み、安全性が大きく向上します。
スマホの音声検索を有効にする方法は、音声検索 オンにするには?(シニア向け) androidスマホでも簡単3ステップの記事で詳しく紹介しています。

歩行中はスマホ操作をやめる「ながら操作禁止」を意識
最も基本的で効果的な対策は、「歩行中はスマホを操作しない」というシンプルな心がけです。
スマホが鳴ったり通知が届いたりすると、つい反応して確認したくなりますが、その一瞬の操作が事故や接触のきっかけになることがあります。
特にご高齢の方は反応速度やバランス感覚が低下しやすく、わずかな不注意が転倒につながるリスクも高まります。
歩いている最中に着信が来ても、まずは「立ち止まってから確認する」ことを習慣にするだけで、安全度は大きく変わります。
スマホ通知をオフにして歩行中の誘惑を断つ
スマホに集中してしまう大きな理由の一つが、通知の多さです。
LINEやメール、SNSの通知音が鳴るたびにスマホに手が伸びてしまうという方も少なくありません。歩行中は一時的に通知をオフにする、または「マナーモード」に設定するのがおすすめです。
特に外出時は「集中モード」や「おやすみモード」など、端末ごとに選べる機能を活用すれば、通知による誘惑を最小限に抑えることができます。
必要な連絡だけを受け取る設定にすることで、「つい見てしまう」状況を事前に防ぐことができるのです。
必要なら立ち止まって操作する習慣をつける
どうしても急ぎで確認したい通知やメッセージがある場合には、安全な場所で立ち止まってからスマホを使うことを徹底しましょう。
ベンチや壁際、建物の陰など、周囲の通行人の妨げにならない場所を選ぶことで、自分も他の人も安心して移動できます。
道の真ん中や階段の途中で急に立ち止まる行為は、他の人の転倒や衝突の原因になりかねません。
「今ここで見るべきか?後でもいいか?」と一呼吸おいて行動することで、歩きスマホのリスクは確実に減らせます。

僕もよく移動中に通知が来ると気になって見てしまっていたんですが、あるとき階段で画面を見たまま足を踏み外しかけてヒヤッとしたんです。
それ以来、移動中は通知を完全に切るようにして、「見るなら止まる」を徹底するようにしています。
その意識だけで、駅構内や人混みでも気持ちに余裕ができました。小さな工夫ですが、ケガやトラブルの防止にすごく役立っていると感じています。
シニア世代こそ意識したい歩きスマホとの向き合い方
自分が加害者・被害者にならないための心得
歩きスマホの問題は、単に「迷惑」や「マナー」の話ではなく、自分自身が加害者にも被害者にもなり得る現実的なリスクを含んでいます。
スマホを使う立場としては便利さを享受しつつも、歩行時の利用には一定の「自制心」が求められます。
特にご高齢の方は、注意力や反射速度が若い頃よりも確実に低下しており、周囲の動きに即座に対応できないことが多くなります。
だからこそ、「自分は気をつけているから大丈夫」ではなく、「危険を事前に避ける行動」を意識的に取る姿勢が大切です。
家族にも伝えておきたい「歩行マナー」の重要性
ご家族やご友人に歩きスマホをしている方がいらっしゃったら、「気をつけてね」とやんわり声をかけることも、事故を未然に防ぐ第一歩になります。
特にお子さんやお孫さんの世代はスマホ操作に慣れているがゆえに、「歩きスマホが危険」という実感が薄い場合も多く、善意の注意がトラブルを避けるきっかけになるのです。
また、ご自身の行動を通じて、ご家族に安全な行動を示すこともできます。
「自分がスマホを持っている姿を、誰かが見て学んでいる」という視点は、あらゆる世代に響くメッセージになります。
テクノロジーとの付き合い方を見直すきっかけに
歩きスマホの問題は、単に「スマホが悪い」という話ではなく、私たちがどのようにテクノロジーと向き合っていくかを考える問題でもあります。
通知に即座に反応する習慣は、便利さの裏に「せかされる日常」を生んでしまうこともあります。
だからこそ、外出中はスマホを見る時間を減らし、自然や人との接点を意識することで、身体的にも精神的にも健やかな時間を取り戻すことができます。
スマホを「使いこなす」のではなく、「使い分ける」。その意識が、シニア世代の皆さんにとっては特に重要なのです。

おばあちゃんと一緒に外を歩くとき、よく「スマホ見てる人が多くて怖いね」と話すんです。
そのたびに、スマホの便利さと同時に、使う場面を選ぶ大切さも再確認しています。
僕も以前は移動中にSNSを見たりしていましたが、今は「立ち止まってから使う」を意識するようになりました。家族との会話や風景に気づく時間も増え、スマホから少し距離を置くことが、心にも余裕を与えてくれました。
まとめ
歩きスマホは、法律で明確に禁止されているわけではありません。
しかし、実際のトラブルや事故、社会的な迷惑という観点から見れば、放置できないリスクを含んだ行動であることは間違いありません。
特にシニア世代の皆さんにとっては、被害者にも加害者にもなり得る立場であり、日常の中で予防策を取っておくことが自分と周囲の安全を守る一歩になります。
この記事では「歩きスマホ 邪魔」と感じる背景を明らかにしつつ、具体的な対策やマナー、そしてご家族と共有すべき心得についてもご紹介しました。
スマホの便利さは時に、無意識のうちに他の人の不安や迷惑を引き起こすことがあります。
だからこそ今、私たちはスマホの使い方を改めて見直し、「歩くときは歩く」「見るときは立ち止まる」そんな当たり前の意識をもう一度取り戻すことが求められています。
歩きスマホをしない。それは、自分の身を守るだけでなく、周囲への思いやりにもつながる行動です。
今日から、できることから始めてみませんか。
よくある質問(Q&A)BEST5
Q. 歩きスマホをしていて他人とぶつかった場合、どちらが悪くなりますか?
状況にもよりますが、歩きスマホをしていた側が「前方不注意」と見なされ、過失割合が高くなることが多いです。
特に相手がご高齢の方やお子さんの場合、より重く責任を問われる傾向があります。注意していたつもりでも、周囲への配慮がないと判断されるケースもあるため、やはり「歩行中の操作は避ける」のが最善です。
Q. 歩きスマホは法律で禁止されていますか?
2025年現在、日本の法律では「歩きスマホ」そのものを明確に禁止する条文は存在しません。
ただし、接触事故が発生した場合には「不法行為」として損害賠償責任を問われることがあります。
また、自治体によっては歩きスマホに関するマナー条例がある場合もあるので、地域のルールも確認しておくと安心です。
Q. シニア世代が歩きスマホの被害にあわないためにはどうしたら良いですか?
周囲をよく見て歩く、混雑した場所ではなるべく壁際を歩く、音に注意を向けるなど、危険を回避するための意識が重要です。
また、スマホを使っている人を見かけたら、少し距離を取って歩くようにするだけでも接触リスクは減らせます。
Q. 子どもや孫にも歩きスマホを注意すべきでしょうか?
はい。家族だからこそ伝えられることがあります。
とくに若い世代はスマホ操作に慣れていても、周囲の危険に気づきにくい傾向があります。
「一度危ない目にあった人の話」や「実際の事故例」を交えて伝えると、素直に聞いてくれることが多いです。
Q. 歩きスマホをやめるためのおすすめアプリや設定はありますか?
多くのスマホには「集中モード」「おやすみモード」「運転モード」など、通知を一時的にオフにできる設定が搭載されています。
また、歩行中のスマホ操作を制限するアプリもあります。あらかじめ設定しておくことで、自動的に「ながら操作」を防止できるため、特にシニアの方におすすめです。
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