離れて暮らす高齢のご家族や親戚と、もっと手軽に会話を楽しみたいと感じたことはありませんか。そんなときに役立つのが「スマホのテレビ電話アプリ」です。最近は、高齢者でも使いやすい操作性のアプリが登場しており、スマホさえあれば顔を見ながらの会話が可能になります。
この記事では、スマホで使えるテレビ電話アプリの設定や操作方法について、初心者にもわかりやすく解説していきます。高齢の親御さんや祖父母とスムーズにつながるために、アプリの選び方やインストールの仕方、通話のコツまで丁寧に紹介します。
また、実際に私が祖母と使っているテレビ電話アプリの事例も交えて、高齢者に本当に使いやすい方法を具体的にお伝えしていきます。今まで電話だけだったつながりを、映像つきの会話に変えて、もっと温かく、もっと便利にしてみませんか。
スマホでテレビ電話を始める前に知っておきたいこと
テレビ電話ってどんなもの?高齢者にもわかりやすく解説
テレビ電話とは、スマホやパソコンを使って、音声だけでなく映像も通して相手と会話ができる通信手段です。固定電話とは違い、相手の顔を見ながら会話できるため、離れて暮らす高齢者とのつながりを感じやすくなります。
たとえば、東京に住む孫と鹿児島に住むおばあちゃんが、まるで同じ部屋にいるかのように話せるのがテレビ電話です。表情がわかることで、「元気そうだね」と安心できたり、「ちょっと顔色悪いかな」と健康の異変に早く気づけたりするメリットもあります。
操作が簡単なアプリを選べば、高齢者でも問題なく利用できます。また、最近のスマホには標準でカメラが搭載されているため、特別な機器を買い足す必要もありません。
スマホの基本操作ができればOK!必要な準備とは?
テレビ電話アプリを使うために必要なのは、スマホ本体とインターネット接続、そして対象のアプリだけです。アプリによってはアカウント登録やメールアドレスの設定が必要になりますが、一度設定してしまえばそれ以降は簡単に使えるようになります。
高齢者の方がスマホを初めて触る場合でも、電話の受け取り方や、タップ・スワイプなどの基本動作を覚えれば問題ありません。通話のたびにアプリを開いて相手を選び、「通話開始」ボタンを押すだけというシンプルな流れで済むのが多くのテレビ電話アプリの特徴です。
ちなみに、私の祖母(79歳)はLINEのビデオ通話を使っています。スマホのホーム画面にLINEのアイコンを単独で大きく配置してあげることで、アプリ起動も迷わずできています。
Wi-Fi環境があればより安心!通信量にも注意
テレビ電話は映像をリアルタイムで送信するため、通信量が音声通話よりも多くなります。そのため、できる限りWi-Fi環境で利用するのがおすすめです。特にデータ容量が限られている格安スマホを使用している場合、月末になると通信制限にかかるおそれもあります。
たとえば、1時間のビデオ通話で使用するデータ量は、アプリによって異なりますが200MB〜500MB程度。数回の長電話で1GBを超えてしまう可能性があるため、家庭内にWi-Fiがあるかどうかを確認し、必要に応じて設置を検討しておくと安心です。
それでは、次に実際にどのアプリを選べばよいか、具体的なおすすめアプリを紹介していきます。
高齢者におすすめのテレビ電話アプリ3選
LINE:多機能で使いやすく家族との連絡にも便利
テレビ電話アプリの中でも特に人気が高いのがLINEです。日本国内での普及率が高く、若者から高齢者まで幅広く使われているため、家族全員が同じアプリでつながれるのが最大の利点です。
LINEはチャットや音声通話に加え、ボタンひとつでビデオ通話に切り替えることができ、操作がシンプルで高齢者にも向いています。通話相手を「お気に入り」に登録しておけば、毎回探す手間もありません。
実際に、80歳の父が使っているLINEでは、息子(私)とのビデオ通話はワンタップで開始できます。スタンプ機能もあるため、会話以外の表現も楽しめる点が魅力です。
Zoom:複数人との同時通話にぴったり
家族や親戚など、複数人と同時に話したい場合はZoomが便利です。特に年末年始や誕生日などのイベントで「オンライン帰省」をする際には活躍します。最大100人まで同時接続できるので、大人数の家族にも対応可能です。
ただし、初期設定に少し手間がかかるため、事前に使い方をサポートしてあげることが必要です。スマホ用アプリのインストールと、ミーティングIDやパスワードの入力が必要となるため、事前に設定済みのURLをLINEなどで送っておくとスムーズです。
たとえば、私の姉は祖母とZoomでつながるために、毎回ミーティングリンクをLINEで送って「ここを押してね」と一言メッセージを添えています。これだけで問題なく接続できています。
Google Meet:アプリ不要で簡単に始められる
Googleアカウントを持っていれば、Google Meetもおすすめです。特徴は、アプリをインストールしなくても、ウェブブラウザから参加できる点です。通話用のリンクをタップするだけでつながるシンプルさが魅力です。
高齢者にとっては「アプリをダウンロードする」という作業自体がハードルになることがありますが、Google Meetはその手間が不要です。ただし、Androidスマホでは事前にGoogleアカウントでログインしておく必要があります。
たとえば、実家の母は「画面の中の“今すぐ参加”を押すだけでいいのね」と毎回確認しながら使っていますが、それでも問題なく使い続けられています。それでは、これらのアプリを使う前に必要な手順=インストール方法を解説していきます。
スマホにアプリをインストールする手順
アプリストアの探し方とダウンロード方法
まずは、スマホに必要なテレビ電話アプリをインストールすることから始めましょう。Androidの場合は「Google Play ストア」、iPhoneの場合は「App Store」からアプリを検索できます。
ストアアプリを開いたら、検索欄に「LINE」「Zoom」「Google Meet」などのアプリ名を入力し、表示されたアプリの中から正しいものを選んで「インストール」または「入手」をタップすればOKです。
たとえば、私の祖父(83歳)は、LINEのインストールを一緒に行いましたが、検索窓に「らいん」と平仮名で打っても問題なく見つかりました。カタカナやひらがなでも目的のアプリにたどり着けるのは、高齢者にとって大きな安心材料です。
インストール後に行う基本設定とは?
アプリをインストールした後は、初回起動時にいくつかの基本設定を行います。LINEではアカウント登録(電話番号・名前の入力)、Zoomではサインインまたはゲスト参加、Google MeetではGoogleアカウントのログインなどが必要です。
この初期設定を一度済ませてしまえば、以後はアイコンをタップするだけで通話を開始できます。本人が操作するのが難しい場合は、家族が一緒に設定を行ってあげるとよいでしょう。
ちなみに、私の父(78歳)はLINEの登録時にPINコードの入力を求められて焦っていましたが、「これは本人確認だから、画面に表示された数字をそのまま入れるだけでいいよ」と説明すると、安心して進められました。
通知設定やアクセス許可に注意しよう
インストール後は、通知の設定やカメラ・マイクへのアクセス許可が求められる場合があります。「許可しない」を選ぶと通話機能が使えなくなる可能性があるため、必ず「許可する」を選びましょう。
アプリによっては、「通知をオンにしますか?」という画面が出てきます。これは、通話の着信や新しいメッセージを受け取るために必要な機能です。高齢者のスマホでは通知音が小さくなっていることもあるので、音量の確認も忘れずに行っておくと安心です。
それでは、インストールが完了した後の実際の操作方法について、次の章で詳しく説明していきます。
高齢者が迷わない!テレビ電話アプリの操作方法
通話をかける方法:連絡先の選び方と発信の流れ
テレビ電話をかけるには、まずアプリを開いて相手を選ぶ必要があります。LINEの場合は「トーク」から通話相手をタップし、右上のビデオマークを押せばビデオ通話が始まります。
よく話す相手は「お気に入り」や「ホーム画面にショートカット追加」しておくと便利です。Zoomでは、事前に設定したミーティングリンクを開くと、そのまま通話が始まります。
たとえば、私の母(76歳)は、LINEで孫と話すとき、画面に貼り付けた孫のアイコンをタップするだけで会話を始めています。本人は「これならボタン1個で話せる」と喜んでいます。
通話を受けるときの画面の見方と応答方法
テレビ電話の着信があると、スマホの画面には相手の名前や「応答/拒否」のボタンが表示されます。受話器マークやビデオマークをタップすることで応答できます。
LINEでは、緑色のボタンが「応答」、赤が「拒否」です。この色分けは多くの高齢者にとって直感的でわかりやすいと感じられています。Google Meetの場合は、通話リンクをタップするだけで応答状態になります。
私の祖母は最初、「どこを押したらいいの?」と戸惑っていましたが、「緑のボタンはOK、赤はやめるボタン」と教えると、すぐに覚えました。それ以来、ビデオ通話の着信にはすぐ反応できています。
画面のON/OFF、音声調整などの基本操作を覚えよう
テレビ電話中は、画面下部や上部に操作ボタンが表示されます。ここでは、カメラのON/OFF切り替え、マイクのミュート、スピーカーの調整などが可能です。
誤ってカメラをオフにしてしまうと「顔が見えない」と困る場面もあります。そのため、操作位置を事前に教えておくか、メモを貼っておくのもおすすめです。また、音声が聞こえにくい場合はスピーカーの音量を上げることで改善できます。
ちなみに、我が家では「カメラボタン=目」「マイクボタン=口」と覚えてもらっています。これにより、「目が消えてる=カメラオフ」「口がバツ=声が出ていない」と自然に理解してもらえました。では、次は高齢者とより楽しく会話するための工夫をご紹介します。
高齢者とテレビ電話を楽しむためのコツ
大きな声ではっきり話すと安心感アップ
テレビ電話では音声が途切れることや、聞き取りにくくなることがあります。特に高齢者の場合、耳が遠くなっていることもあるため、話す際は「少しゆっくり・少し大きめ」を意識しましょう。
また、ハキハキと話すことで相手も安心します。「元気な声が聞こえると、それだけで嬉しい」と言う高齢者は多いのです。
たとえば、私は祖父と話すとき、言葉の語尾をはっきり発音するようにしています。「今日は暑いね」よりも「今日は、あ・つ・い・ね」と少し区切って話すだけで、聞き取りやすさがまるで違うと感じています。
カメラの位置を工夫して顔をしっかり映そう
カメラの位置が下すぎたり、逆光だったりすると、顔が暗く見えたり見切れてしまうことがあります。スマホは顔の高さに合わせて、明るい場所で通話するのが理想的です。
最も簡単な方法は、本や箱の上にスマホを置いて高さを調整することです。また、背後に窓があると逆光になるため、正面から自然光を受ける位置を選ぶと表情がよく見えます。
たとえば、祖母のテレビ電話のときは、ダイニングテーブルにティッシュ箱を積んでその上にスマホを置いています。こうすることで目線とカメラの高さが一致し、自然な映像になります。
話題を用意して、会話を楽しむ工夫をしよう
高齢者との会話では、あらかじめ話題をいくつか用意しておくとスムーズです。最近の天気、テレビ番組、孫の学校のこと、昔の思い出話など、相手が話しやすい内容を選びましょう。
特に「昔の話」は高齢者にとって話しやすく、会話が弾みやすいジャンルです。また、季節の話題や「次はいつ話そうか」といった次回の予定づくりも、楽しみのひとつになります。
私の場合、毎回1つ「孫のエピソード」を用意しています。たとえば「今日、○○ちゃんが学校で発表したよ」と伝えると、祖母は目を細めながら何度も聞き返してきます。それが嬉しいようで、次の通話のときには必ずその話を振ってくれます。こうした小さな工夫で、テレビ電話はもっと心温まる時間になります。
それでは最後に、本記事の内容をまとめておきましょう。
まとめ
スマホのテレビ電話アプリは、高齢者と離れていてもつながりを感じられる心強いツールです。LINEやZoom、Google Meetなど、それぞれのライフスタイルに合ったアプリを選び、インストールから操作までを丁寧にサポートすることで、誰でも手軽に使いこなせるようになります。
アプリの導入や操作に不安がある方は、一度一緒に操作してあげるだけで大きく変わります。スマホを通じて「顔が見える会話」ができるようになると、孤独感が和らぎ、日々の生活に張り合いが生まれます。
しかしながら、「使い方が難しそう」と敬遠してしまうと、その便利さを体験できないまま終わってしまうこともあります。だからこそ、この記事をきっかけに、一歩踏み出してみることが大切です。
設定も操作も難しくありません。必要なのは少しの準備と、やさしい声かけだけです。ぜひ、この記事を参考に、大切な人との距離をぐっと縮めてみてください。
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